はじめに
60代になると、若い頃とは少し違う目線でお金のことを考えるようになります。
これから毎月どのくらいのお金が入ってくるのか。
普段の生活にどのくらい使っているのか。
預貯金や株式などは、どこにどのくらいあるのか。私たち夫婦も、以前はそれぞれ何となく分かっているつもりでした。
でも、「分かっているつもり」と「一度きちんと書き出してみる」のとでは、安心感がずいぶん違います。
そこで今回は、60代になったら一度確認しておきたい、お金の「見える化」を3つに分けて考えてみます。
① 毎月のお金の流れを確認する
最初に確認したいのは、毎月のお金の流れです。細かい家計簿を毎日つける必要はありません。
まずは、
・毎月入ってくるお金
・毎月ほぼ決まって出ていくお金
・そのほかに使っているお金
この3つを大まかに確認するだけでも十分です。たとえば、年金などの収入に対して、家賃や光熱費、通信費、食費などがどのくらいかかっているのか。毎月必ず出ていくお金が分かると、「これくらいあれば普段の暮らしはできそうだね」という一つの目安が見えてきます。
大切なのは、1円単位まで合わせることではありません。自分たちの暮らしに、毎月だいたいいくら必要なのかを知っておくこと。それだけでも、お金に対する漠然とした不安は少し整理しやすくなると思います。
② 今ある資産を一度一覧にしてみる
次は、今ある資産です。預貯金、株式、投資信託などを持っていても、長く使っているうちに、「どこの銀行にいくらあったかな」、「証券会社はいくつ使っていたかな」となることがあります。ここでも、毎日の値動きまで細かく記録する必要はありません。
まずは、・銀行名、・証券会社名、・どんな資産があるか、・おおよその金額を書き出してみます。これだけでも、自分たちの財産の全体像がかなり見えやすくなります。
特に株式や投資信託は価格が動きますから、「正確な評価額を毎日残す」ことより、どこに何を持っているのかが分かる状態にしておくことの方が大切だと思っています。
③ 「自分だけが知っている」を減らしておく
これは、60代から特に大切にしたいことです。自分では当たり前に分かっていることでも、家族には分からないことがあります。
たとえば、「この通帳は何のための口座なのか」、「株はどこの証券会社にあるのか」、「大切な書類はどこに置いてあるのか」本人しか知らなければ、いざというとき家族が一から探すことになります。
夫婦でも同じです。どちらか一方だけがお金の管理をしている家庭なら、もう一方が最低限、「何が、どこにあるのか」だけでも分かるようにしておくと安心です。
暗証番号やパスワードを無造作に書いておく、という意味ではありません。
銀行や証券会社の名前、大切な書類の保管場所など、家族が手掛かりをたどれる状態にしておくということです。
今日からできる「小さな一歩」
難しく考えず、ノートを一冊用意して、まず次の3つだけ書いてみます。
1.毎月入ってくるお金
年金など、おおよその金額を書く。
2.毎月必要なお金
家賃、光熱費、食費などを大まかに書く。
3.今ある金融資産
銀行名、証券会社名、預貯金・株式・投資信託などを書く。
最初から完璧な一覧表を作らなくても構いません。
思い出したものから書き足していけばいいと思います。
お金の整理は、節約するためだけではありません
「お金を整理する」というと、どうしても節約や家計管理を思い浮かべます。でも、60代からのお金の整理は、それだけではありません。
これからどんな暮らしをしたいのか。
何にお金を使いたいのか。
家族に何を伝えておきたいのか。
そうしたことを考えるための土台にもなります。そして、先ほどの記事で取り上げた相続や遺言を考えるときにも、まず自分の財産が整理されていることが出発点になります。全部を一日で整理する必要はありません。今日は銀行口座を確認する。明日は証券会社を書き出す。週末には夫婦で一度見てみる。それくらいで十分です。
お金を「見える化」することは、これからの暮らしを安心して楽しむための準備の一つです。私たちも、時々見直しながら続けていきたいと思っています。
最後に、まずは今日、ノートを開くところから始めてみませんか。